こんにちは!今回は前回予告通り椎間板の圧力による痛みです。少しマニアックな内容にもなります。
4. 椎間板への圧力
なぜ起床時に椎間板による痛みが出てしまうのか?それは、睡眠中に椎間板が水を吸収するメカニズムが備わっているからです。

1. 臥位による圧力減少と水分吸収
椎間板(特に中心部の髄核)は70~80%が水分で構成されており、日中の活動で水分が押し出され、夜間の安静時に再び戻ってくるというサイクルを繰り返します。
臥床(=横になる事)することで脊椎を圧迫していた重力が減るため、椎間板は水を吸収し膨張します。
これは MRI などで確認されており、朝と晩で T2 値(椎間板の水分を反映)が異なるとの研究もあります。例えば、実験的な臥床(bed-rest) で25名の健康成人を対象としたMRI検査では、朝の椎間板内のT2値が明らかに高く(=水分多め)水分量が顕著に増加し、夕方には低くなることが磁化率転送MRIによる定量評価で示されました 。
2.朝の腰痛との関連性と臨床応用
• 膨張した椎間板が神経根や周囲構造を軽く圧迫することにより、起床時に信号が増強され、痛みを感じやすい状態になります 。実際、「夕方より朝1時間以内が最も痛みを感じる時間帯」と述べる方は多いです。
さらに面白い臨床データとして、早朝に腰を曲げる(屈曲=前屈み)動作を控える指導を行った慢性腰痛患者が3年間にわたり痛み日数が大幅に減少したというランダム化介入研究もあります 。ただ、前屈動作をしない生活も何かと不便なので痛みを改善させたいですね。
まとめると
•椎間板の構成は水分が多い。
• 睡眠時の7時間前後の臥床で、椎間板(特に髄核)は重力から解放され、水分を吸収し始める。
(研究では、**3〜4時間の仰臥位(あおむけ)でもT₂値が上昇する(=水分が増える)**ことが報告されています。)
• 最大膨張は7〜8時間後に観察されるケースが多いため、通常良いとされる睡眠時間が痛みの出やすい時間に該当してしまうことも。もちろん睡眠時間が長い、横になる時間が長い人ほど痛みは感じやすくなる可能性が高いです。ただし、腰痛で立ってると痛いタイプもあるのでその時は横になって安静が必要です。
この椎間板の水分増加は自然な現象ですが、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを持っている方は、神経圧迫や周辺組織の圧迫(筋肉、靭帯)による痛みが朝に強く出やすくなっている可能性があります。可能な限り周辺の筋肉や靭帯のこり、神経の緊張を取り除く鍼やマッサージ、セルフストレッチで対策をしていきましょう!
その他、体についてのお悩みは一度ご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ご要望などありましたら、Instagram,LINE@からのメッセージお待ちしております!













